
・自分の価値観の見つけ方を知りたい!
・自分らしい仕事をしたい!
・仕事で迷いたくない
と思っている40代会社員向けに記事を書きました。

今回は私にとっての名著、自己理解の専門家・八木仁平さんの著書「世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方」にて提唱する5つのステップをとおして自分の価値観の見つけ方について解説していきます。
本記事を最後まで読むと、自分の価値観の見つけ方がわかるだけでなく、自分の仕事の目的を決めることができるようになります。
結論から先に、自分の価値観を見つける5つのステップは以下のとおりです。
それでは、詳しく解説していきます。ぜひ最後までお読みください。
目次
自分の価値観を見つけるときに知っておきたいこと

目標と価値観を混同して迷い続けない
「大事なこと(価値観)」は「ずっと進み続ける人生の方向」で、目標は「その道の途中にあるチェックポイント」です。
引用:世界一やさしい やりたいことの見つけ方
「目標」と「価値観」の違いがわからないと、目先の目標をたてて迷い続けることになります。
目標と価値観の違い
- 価値観=方向
- 目標=距離
例えば、Aさんが「副業で月5万円稼ぐ」という目標を立てます。頑張りもあり、その目標を達成。
次は「月10万円稼ぐ」という目標を立てます。そして目標を達成。
さらに「月100万円稼ぐ」と目標を上げます。しかし、なかなか目標を達成できません。
その時に「何のためにお金稼いでいるのか」と感じ、モチベーションが上がらず副業をやめてしまいます。
なんでそうなったのか。
それは、Aさんが本当に欲しいものは「お金」ではなく「お金の先にあるもの」だったからです。
Aさんは、自分の価値観がないまま目標を立てて進んだから迷ったのです。
もし、Aさんの価値観が「困っている人をサポートする」としたらどうでしょうか。
目標が「副業で月5万円稼ぐ」とはなりません。「困っている人をサポートする」ために何ができるのか、何をするのかが、目標となります。
進む方向=価値観が見えたら迷うことはなくなります。
POINT
- 価値観は進み続ける人生の方向
- 目標はその途中にあるチェックポイント
本物の価値観と偽の価値観がある
価値観には正解がありません。人に話した時に全く共感されないとしても、自分が「こう生きたい!」と思えるのであれば、それは立派な価値観です。
引用:世界一やさしい やりたいことの見つけ方
自分が「こうしたい!」と思う気持ちが、自分にとっての本物の価値観です。
「~するべき、~しなければ」と思ったら、それは偽物の価値観です。
40代の方は「名のある大学に入って大企業に就職することが幸せ」という親世代の価値観を植えつけられたかもしれません。
まさに私がそうでした。もちろんその時代の価値観が反映することは理解できます。
しかし、それは他人の期待であって自分が本当に望んでいるわけではありません。
社会や親の価値観と自分の価値観は別のこと
自分の価値観を見つけるために「~するべき、~しなければ」と思うことがあるのか、一度自問することをおススメします。
POINT
- 「~したい」が本物の価値観
- 「~べき」は親・社会から押しつけられた偽の価値観
価値観を見つけると人生の選択に迷いがなくなる
自分の価値観がわからないと、他人の価値観に振り回されて、ふらふらと迷いながら人生を歩んでしまいます。
簡単に言うと「自分軸のないブレた生き方」です。
今トレンドとなっている「FIRE(経済的自立と早期リタイア)」
この価値観・生き方に共感し、自分もそうなりたいと思っている方もいるかと思います。それに共感し、そういう人生を選ぶこと自体は問題ありません。
しかし、それが本当に自分の人生の歩み方なのか。それを考える必要があります。そのためには、自分の価値観を知ることです。
自分の価値観がわかると他人の価値観・生き方に振り回されることはありません。それが、自分軸でいる状態です。
自分の価値観を見つける5つのステップ

それでは実際に自分の価値観を見つけていきます。メモとペンの準備はいいでしょうか。
自己理解の専門家・八木仁平さんが提唱する5つのステップを実践していきましょう!
STEP1 : 5つの質問から価値観キーワードを選ぶ
まず初めに価値観を見つけ出すために、自己理解の専門家・八木仁平さんが厳選した5つの質問に答えていきます。
【質問1】尊敬する人は誰ですか?どんなところを尊敬していますか?
尊敬する人について考える時にはその人の「やっていること」を見てもあまり意味はありません。なぜなら、その人の「やりたいこと」と、あなたの「やりたいこと」は別だからです。
引用:世界一やさしい やりたいことの見つけ方
「尊敬する人は誰?」と考えると、すぐに思い浮かばないかもしれません。ですが、「私もこういう風に生きたい」という感覚があるなら、親でも友人でも、誰でもOKです。
その人を思い浮かべたら「その人の何が魅力なのか」を考えてみてください。その魅力がその人の価値観を反映しています。
つまり、それがあなたの価値観でもあります。
私が尊敬する人は「台湾民主化の父」と呼ばれる台湾の政治家、故・李登輝元総統です。
李登輝元総統の哲学・生き方に「信念」と「自律」という価値観を強く感じます。つまり、それが私の価値感でもあります。
あなたが「尊敬する人の何が魅力なのか」を考えてみましょう。
【質問2】幼い頃や思春期で、大きな影響を与えた出来事や経験は何ですか?
価値観の根本は、幼い頃の経験で作られています。自分の価値観と結びついている経験は、強烈な感情を伴っているので記憶に残っています。
引用:世界一やさしい やりたいことの見つけ方
自分の価値観がわからないとしても、実は幼い頃の経験であなたの価値観が作られています。
潜在意識にあるけど顕在化されていないだけです。内にある価値観を表に出すために、この質問を投げかけてください。
今でも思い出す幼い頃や思春期の印象的な出来事や経験は何ですか?
【質問3】今の社会に何が足りないと思いますか?
理想と現実の差を埋めることがあなたの「やりたいこと」なのです。
引用:世界一やさしい やりたいことの見つけ方
今の社会を見て何となくでも「不満」に感じることは何ですか?
不満に感じるということは、自分なりの理想があり、その理想が実現されていないから感じるのです。
その理想と現実とのギャップがあなたの「やりたいこと」にも繋がります。
例えば、明らかに身障者ではないのに平気で身障者用のスペースに駐車する人をみて、不満・不愉快に感じる。
この場合、社会に足りないと感じるのは「道徳心」や「思いやり」です。つまり、これがあなたの価値観です。
周りを見渡して「不満に感じる」ことは何ですか?
【質問4】周りの人に「自分って何を大事にしてそう?」と聞いてみてください
自分の顔を見る際は鏡を使いますよね。それと同じように自分の価値観を見る際には、周りの人に鏡になってもらいましょう。
引用:世界一やさしい やりたいことの見つけ方
次は、自分に質問するのではなく、他人に聞いてみる質問です。
「自分って何を大事にしてそう?」と、大切なパートナー、友人、仕事仲間など身近な人に聞いてみてください。
日常生活の中で、実は自分の価値観にそって生活をしていることがほとんどかもしれません。ただ自分では気づいていないだけ。
意外と周りの人はあなたの価値観に気づいていたりします。
【質問5】自分の子どもや他人に助言するとき、一番伝えたいのはどんな行動ですか?逆に一番伝えたくないのはどんな行動ですか?
あなたが子どもや他人に伝えたいと思っていることは、自分が周りの人に与えたい影響という意味で「仕事の目的」に繋がります。
引用:世界一やさしい やりたいことの見つけ方
まずは「伝えたいこと」を箇条書きでいいので書いてください。そして、その「伝えたいこと」がどんな価値観なのか考えてみてください。
例えば、
- 人の意見に流されることなく自分の意見をもって行動しよう。
→価値観は「自律」 - 人それぞれに違いがあることを理解しよう。
→価値観は「寛容」 - 困っている人がいたら手を差し伸べよう。
→価値観は「思いやり」「貢献」 - 他人に偉そうな態度をとらず、つつましくしよう。
→価値観は「謙虚」
次に、その逆で「伝えたくないこと」を書いていきます。同じように価値観も一緒に考えてみてください。
例えば、
- 仕事は、給料が安定している公務員の方がいいよ。
→価値観は「安定」/反対は「挑戦」 - 起業なんて誰でも成功するわけじゃないから、今の会社で働いた方がいいよ。
→価値観は「現状維持」/反対は「独立」 - 努力が必ずしも良い結果と結びつくわけないから、適度にやった方がいいよ。
→価値観は「妥協」/反対は「プロフェッショナル」
この「伝えたくないこと」の価値観の「反対」があなたの価値観となります。
自分の子どもや他人に助言するとき、一番伝えたいのはどんな行動ですか?逆に一番伝えたくないのはどんな行動ですか?
STEP2 : 価値観のキーワードを整理する
先程の5つの質問に答えると自分の「価値観のキーワード」が出てきます。今度は、そのキーワードを整理していきます。
ただし、キーワードが少なすぎると自分の価値観が定まらないので、キーワードは15個ぐらいを目安にしてください。
価値観のキーワードを整理する手順は、以下のとおりです。
手順
- キーワードを15個ぐらい書きだす
- 似たようなキーワードをグループにする
- そのグループを4~6つの分類にする
- グループの「まとめキーワード」を決める
自己理解の専門家・八木仁平さんの例を見てみましょう。※2つのみ紹介
<グループA>
発見、学び、遊び、成長、衝動、本音、好奇心
<グループB>
夢中、熱中、没頭、本気、集中
次に、各グループの「まとめキーワード」を考えます。
<グループA まとめキーワード>
「好奇心」
<グループB まとめキーワード>
「夢中」
このように15個ぐらい書きだしたキーワードを4~6つのグループに整理し、各グループの「まとめキーワード」を考えます。
この作業をとおして「自分の価値観」を見つけ出しましょう。
POINT
キーワードを似たもの同士でグループにする
STEP3 : 他人軸の価値観を自分軸に転換する
次に、先程あげた価値観キーワードの中に「他人軸」の価値観があるかチェックします。
そして、その「他人軸」の価値観を「自分軸」の価値観に置き換えます。手順は2つです。
step
1「自分でコントロールできない価値観」を探す
例えば、人から尊敬されたいという価値観がある場合、人から尊敬されるかは相手次第ですから自分ではコントロールできません。
このような「自分でコントロールできない価値観」があるのかを探してください。それが「他人軸」の価値観となります。
step
2「他人軸」の価値観を「自分軸」の価値観に置き換える
次に、他人軸の価値観の先にある手に入れたいもの、つまり自分の価値観を考えていきます。
Step1を例にして「尊敬」の先に手に入れたいものを見つけます。
自問の流れ
Q1:尊敬されたいのは何のため?
A1:人に頼りにされたいから
Q2:人に頼りにされたいのは何のため?
A2:自分の存在を認められたいから
Q3:自分の存在が認められるためには?
A3:「誠実」でありたい
この「誠実」が自分軸の価値観となります。
尊敬されるかは自分でコントロールできませんが、誠実であることは自分でコントロールできます。
自分でコントロールできるのが「自分軸の価値観」です。
・他人軸の価値観:尊敬
・自分軸の価値観:誠実
この2つの手順に従って「他人軸」の価値観をみつけ、「自分軸」の価値観に置き換えましょう。
POINT
コントロールできない他人軸の価値観を、コントロールできる自分軸の価値観に置き換える
STEP4 : 価値観のランキングを作る【人生の目的を決める】
今度は、今まで出てきた価値観をランキング付けをします。ランキングは、下から上の順に5段階で付けていきます。
ランキングのつけ方
- 一番下は、「土台」となる価値観
- 一番上は、「人生の最終目的」となる価値観
- その間は、土台から最終目的までに近づいていく価値観
ランキングをつける時のポイントは「どっちが最終目的か?」と考えることです。
ちなみに、私の価値感ランキングはこんな感じです。
「自律」自分の規範に従った生き方をする(最終目的)
↑信念を持つと、自分の規範を立てるようになる
「信念」自分の軸を持ちブレない行動をする
↑挑戦し結果を出すと、自分を信じられるようになる
「挑戦」自ら挑戦し続け、他人にも影響を与える
↑知識が身につくと、その知識を役立てる行動をする
「知識」知識を身につける
↑好奇心があるともっと知りたい、学びたいと思える
「好奇心」興味に従って行動する(土台)

「好奇心」は、土台となる大切な価値観ですが「好奇心」が人生の目的ではありません。
私の人生の目的は「自分の規範に従った自律した生き方をすること」です。
このように土台の価値観から順番に最終目的の価値観をランキング化してください。
またランキング化すると今、自分が満たされていない価値観にも気づきます。
土台の価値観からランキングを付け、最終目的の価値観「人生の目的」を決めましょう。
POINT
価値観をランキング化する
STEP5 : 仕事の目的を決める
先程の価値観ランキングでは「人生の目的」を決める作業をしました。
最後に、この価値観ランキングの中で「仕事の目的」となる価値観を考えていきます。
仕事とは、相手に対して価値を提供することです。
もし、自分の価値観と違う価値を提供している仕事をしていたらどうでしょうか。自分らしい働き方とは言えません。
自分の価値観にそった価値を提供することが、本来の仕事の目的となります。
私の場合は5つの価値観の中で「挑戦」を仕事の目的としています。私のやりたいことは、様々な知識を幅広く伝えること(=手段)です。
人がその知識を得て、新たな挑戦をすることによって自分が成長していく。そして自信がつき、自分の人生を豊かにしていく。
その「挑戦」を提供することが、私の仕事の目的だと考えています。人が「挑戦」するのであれば、やりたいことは他の手段でも構いません。
自分の価値観ランキングから「仕事の目的」となる価値観を考えてみましょう。
POINT
価値観ランキングの中から、仕事の目的を決める
▼自分のやりたいことが見つからない場合はこの記事も参考にしてください。
≫40代からの人生を変える!やりたいことが見つかる方法【人生再出発】
価値観リスト30選【迷ったら直感を大切に】

価値観リスト30選(例)
- 正確性|自分の意見や信念を正しく伝える
- 冒険|新しくワクワクする体験をする
- 謙虚|つつましい態度で生きる
- 自律|人任せにしないで自分で決める
- 美|身の回りの美しいものを味わう
- 貢献|社会の役に立つ
- 思いやり|他者に心を寄せて助ける
- 誠実|ウソをつかず誠実に生きる
- 柔軟|新たな環境にも簡単になじむ
- 成長|良い方向への変化と成長を維持する
- 独立|他社に依存しないで生きる
- 公平|全ての人を公平に扱う
- 信念|自分が正しいと思う通りに行動する
- 創造|新しく斬新なアイディアを考える
- 変化|バラエティ豊かな人生を送る
- 反抗|権威やルールに疑問を持って挑む
- 情熱|何らかの活動に熱い感情を抱く
- 合理|理性と論理に従う
- 現実|現実的・実践的にふるまう
- 責任|責任をもって行動する
- 安心|安心感を得る
- 自尊心|自己肯定感をもつ
- 仲間|同じ目的に向かう同志と過ごす
- 危険|リスクをとってチャンスを得る
- 精神性|精神的に成長し成熟する
- 自由|思うままに生きる
- 余裕|時間やお金にゆとりがある
- 美徳|道徳的に正しい生活を送る
- 真理|真理、真実、哲学
- ありのまま|そのままの自分でいる
引用:「世界一やさしい やりたいことの見つけ方」
「世界一やさしい やりたいことの見つけ方」では「100の価値観リスト」が載っています。もっと知りたい方は、ぜひ本を手にしてください。
まとめ:自分の価値観を見つけて、ブレない人生を送りましょう!

自分の価値観を見つける5つのステップを実践してみていかがでしたか?
正直、短時間で自分の価値観を見つけることは難しいかもしれません。ただ、時間をかけて取り組むことで必ず自分の価値観は見つかります。
私はこの本と出会い、自分の価値観を整理することができました。
ぜひ、自己理解の専門家・八木仁平さんが提唱する5つのステップをとおして自分の価値観を見つけてください。そして、自分軸で自分の人生を歩んでいきましょう!
最後に5つのステップをおさらいしておきます。